レンジ:表層から探るのが基本
ビギナーに限った話ではないが、エリアフィッシングでレンジ攻略は、表層からさぐっていくのが基本となる。なぜなら、食い気のある魚は表層のルアーにも果敢にアタックしてくるし、なにより表層を引くことで、そうした魚の反応を実際に目で見ながら確認できるからだ。この表層への魚の反応から、その日のエリアのコンディションを読むことができ、次の釣りへと狙い方をシフトしていくことも可能となる。このことはビギナーにとっても同じこと。しかも、ビギナーの場合はルアーにしても、魚にしても、目で見えた方が断然分かりやすい。だからこそ、まずは表層狙いから始めるべきなのだ。まずは表層にルアーを通して、それに対する魚の反応を見る。これで反応がいいアクションが見つかったら、そのときはじめてルアーを沈めていくことを考えよう。ルアーを沈める時は、着水したところから数を数えながら沈めていく「カウントダウン」という方法が基本となる。例えば、着水後、ラインを張った状態でルアーを沈めていった時、フッとラインが弛んでルアーが着底するまでに10秒かかったとすれば、着水の5秒後に巻き始めれば、およそ中間くらいの層をルアーが通っていることになる。このように慣れてきたら沈める数を変えながら、色々な層を探ってみるようにするのがレンジ攻略の基本中の基本です。
ルアーのカラー:まずは目立つ色を使う
ビギナーはルアーが見えなくなってしまうとその動きをイメージするのが難しいので派手な色で釣りをするのがお勧めです。ピンクや白、オレンジといった派手なカラーは水中でも目で追いやすい。スプーンに慣れるまではこうしたカラーを使って、スプーンを目で追いながら釣りをするのが一番なのだ。また、ルアーを追うためには偏光グラスと光を遮るツバのある帽子も必需品。これによって、ルアーだけでなく、魚の反応もよく見える。浅めのレンジを通して、ルアーと魚の反応を見ながら釣りをしていこう。こうしてスプーンのアクションの見えるカラーで、そのアクションを見ながら釣っていくと、反応のいいアクションが見えてくる。これが分かったら、今度はカラーを見えにくいダーク系にしてみたり、スプーンを沈めてみるといい。どちらも動きが分かりにくいが、最初に見やすいカラーでやったときのイメージを持って釣りをすれば、水中でのスプーンのイメージができるはずです。
ルアー選び:スプーンは各カラー各サイズを
スプーンには色々な重さやタイプ、カラーがあるが、それらをどう揃えていくのかが問題となりますが、スプーンはローテーションをしていくので、カラーやサイズはバリエーションを持たせた方が色々な状況に対応できます。重さは1から3グラムくらいまで、中心は2グラムを多用します。2グラムくらいの重量があれば、キャストもしやすい。軽いスプーンを使って飛距離が出なかったり、ライントラブルを起こしたりするより、2グラム台のスプーンで広く探った方が、ビギナーは結果的によく釣れるはずです。カラーは色々なものがあるに越した事はないが、とりあえずは、ピンクや白などの派手系を中心に、赤金などのヒカリ物、そして黒や茶色、オリーブなどのダーク系の3種類があれば大抵の状況はクリアできます。また、スプーンが難しいなら、ディープクランクがお勧め。これなら、巻く速度を上げれば深めのレンジを、下げれば浅めのレンジを引いてくることもできるし、一気に潜らせてから、ゆっくりレンジキープも簡単です。
ポイント:水の動くところが王道
いくら魚が定期的に放流されている管理釣り場とはいえ、さすがにどこでもバンバン釣れるというわけにはいかない。どうしても釣りやすい場所。釣りにくい場所が出てきてしまうのは仕方のないところです。そこで、ビギナークラスでも実践できる「狙い目」の見分け方だが、基本的には、水が動いているところと、魚をよく見て、多くの魚が群れているところです。実にシンプルだが、これには深い意味があり、ビギナーが狙うべき魚は比較的簡単に釣れる魚。これはいい換えれば、活性の高い、食い気のある魚ということができるだろう。ビギナーはこうした個体が多くいる可能性の高い場所で釣りをすればより高確率で魚を手にすることができるわけだが、高活性な魚ほど、水がよく動いている場所にいるものなのだ。また、魚の密度が濃い場所は、そこの条件が良いから溜まっていることになる。当然こうした場所にも高活性の魚が溜まりやすい。だから、水と魚の動きをよく見て、釣りをした方がよいのです。さらに、発展させると、動いている水がぶつかる場所も狙い目になります。特に水が最初にぶつかる場所は絶対に外せないです。しかし、もっと簡単にいい場所を知る方法もあります。それは素直にスタッフに聞くことです。これなら誰でも絶対に釣れるはずです。
★インレット
いわゆる流れ込みのこと。新鮮な水が流れ込んでいるインレットは魚にとって居心地のいい場所。当然、狙い目となる。
★アウトレット
エリア内の水が流れ出していく場所なだけに水の動きは抜群。水の動きの乏しいエリアなどでは特に狙い目となる好スポットです。
★水車周り
水を撹拌し、流れを生み出すのが水車。水の動きだけでなく、水中の酸素濃度も上がるので、活性の高い魚が集まりやすい。
★流れのぶつかるところ
流れが最初にぶつかる所は絶対に狙いたいホットスポット。どんなエリアでも間違いなく狙い目となるのがこうした場所です。
ルアー:スプーンとクランクを中心に揃える
スプーンは1グラム、2グラム、3グラムあたりを揃えるところから始めるのがお勧めです。スプーンが難しいなら、クランクもお勧めです。クランクは本当に初心者向けのルアーです。スプーンでは、泳ぎを手で感じたり、一定層を引いたりするのは難しいが、クランクなら手にプルプル感が伝わる速さで巻くだけでOKです。しかも、リップのおかげで一定層を自動的に泳いできてくれるので難しいレンジコントロールも不要。とりあえず釣るためにはクランクを揃えておいても損はありません。
ライン:トラブルの少ないナイロンラインを
ビギナーにはナイロンラインをお勧めします。ナイロンラインは、巻きグセがつきにくく、適度な貼りと伸びを持っているのでライントラブルが少ないのが特徴です。3ポンドあたりを基準に選び、カラーはリーダーを必要とするカラーラインではなく、直結でいけるクリアラインがお勧めです。
リール:最初はスプール径に注目
エリアフィッシングといえば1000番というように最も小型のリールを使うのが一般的ですが、中には2000番サイズのリールを愛用している方も多く見えます。どうして、比較的大きめのリールを好んで使うのかというと、ライントラブルを考えると、スプールは少し大きめの方が有利だということです。スプール径が小さいと、ラインの巻きがきつく、癖がつきやすくなってしまうので、少しでも大きめのスプールを使うことでこれを軽減しようということです。ビギナーにはライントラブルの少ない2000番クラスのリールがお勧めです。
ロッド:最初はオールマイティに使えるものを
エリアフィッシング用のロッドをいざ手にとってみると、その柔らかさにビックリする人が多いのでは?ちょっと振っただけで大きくしなるロッドばかりで、その中からどれを選べばいいのかさっぱり分からないというビギナーも多いはずです。
そこで、エリアフィッシング用のロッドを選ぶとなると、最初のロッドはオールマイティーに使えるものが良いです。ビギナーのうちは細かいアタリをとって掛けにいくような釣りは向かないので、ロッドが勝手に掛けてくれるようなものが良いです。そして、魚が掛かったあとはファイトで負けない強さも必要。これらを合わせて考えると、基本のロッド像は「しなやかなティップを持ちつつ、しっかりとしたバットを持つもの」ということになります。
このようなロッドを使うと、ルアーをただ巻いているだけで、魚がバイトしたらティップが入り、そのまま巻いていれば強いバットでしっかり魚が掛かります。これならルアーを巻くことに集中できるからビギナーでも簡単に使えます。さらに、こうしたロッドなら、スプーンが渋いときの切り札になるクランクも無理なく引くことができるし、大きな魚が掛かっても、バットが強いから魚をコントロールすることができます。
最後に長さについては、6フィートがバランスがとれていて使いやすいです。長すぎても短すぎてもとり回しやキャスト性能のバランスがいまひとつとなります。最初の1本は6フィートを基本とするのが良いようです。