ポイント:水の動くところが王道
いくら魚が定期的に放流されている管理釣り場とはいえ、さすがにどこでもバンバン釣れるというわけにはいかない。どうしても釣りやすい場所。釣りにくい場所が出てきてしまうのは仕方のないところです。そこで、ビギナークラスでも実践できる「狙い目」の見分け方だが、基本的には、水が動いているところと、魚をよく見て、多くの魚が群れているところです。実にシンプルだが、これには深い意味があり、ビギナーが狙うべき魚は比較的簡単に釣れる魚。これはいい換えれば、活性の高い、食い気のある魚ということができるだろう。ビギナーはこうした個体が多くいる可能性の高い場所で釣りをすればより高確率で魚を手にすることができるわけだが、高活性な魚ほど、水がよく動いている場所にいるものなのだ。また、魚の密度が濃い場所は、そこの条件が良いから溜まっていることになる。当然こうした場所にも高活性の魚が溜まりやすい。だから、水と魚の動きをよく見て、釣りをした方がよいのです。さらに、発展させると、動いている水がぶつかる場所も狙い目になります。特に水が最初にぶつかる場所は絶対に外せないです。しかし、もっと簡単にいい場所を知る方法もあります。それは素直にスタッフに聞くことです。これなら誰でも絶対に釣れるはずです。
★インレット
いわゆる流れ込みのこと。新鮮な水が流れ込んでいるインレットは魚にとって居心地のいい場所。当然、狙い目となる。
★アウトレット
エリア内の水が流れ出していく場所なだけに水の動きは抜群。水の動きの乏しいエリアなどでは特に狙い目となる好スポットです。
★水車周り
水を撹拌し、流れを生み出すのが水車。水の動きだけでなく、水中の酸素濃度も上がるので、活性の高い魚が集まりやすい。
★流れのぶつかるところ
流れが最初にぶつかる所は絶対に狙いたいホットスポット。どんなエリアでも間違いなく狙い目となるのがこうした場所です。
ルアー選び:スプーンは各カラー各サイズを
スプーンには色々な重さやタイプ、カラーがあるが、それらをどう揃えていくのかが問題となりますが、スプーンはローテーションをしていくので、カラーやサイズはバリエーションを持たせた方が色々な状況に対応できます。重さは1から3グラムくらいまで、中心は2グラムを多用します。2グラムくらいの重量があれば、キャストもしやすい。軽いスプーンを使って飛距離が出なかったり、ライントラブルを起こしたりするより、2グラム台のスプーンで広く探った方が、ビギナーは結果的によく釣れるはずです。カラーは色々なものがあるに越した事はないが、とりあえずは、ピンクや白などの派手系を中心に、赤金などのヒカリ物、そして黒や茶色、オリーブなどのダーク系の3種類があれば大抵の状況はクリアできます。また、スプーンが難しいなら、ディープクランクがお勧め。これなら、巻く速度を上げれば深めのレンジを、下げれば浅めのレンジを引いてくることもできるし、一気に潜らせてから、ゆっくりレンジキープも簡単です。
ルアーのカラー:まずは目立つ色を使う
ビギナーはルアーが見えなくなってしまうとその動きをイメージするのが難しいので派手な色で釣りをするのがお勧めです。ピンクや白、オレンジといった派手なカラーは水中でも目で追いやすい。スプーンに慣れるまではこうしたカラーを使って、スプーンを目で追いながら釣りをするのが一番なのだ。また、ルアーを追うためには偏光グラスと光を遮るツバのある帽子も必需品。これによって、ルアーだけでなく、魚の反応もよく見える。浅めのレンジを通して、ルアーと魚の反応を見ながら釣りをしていこう。こうしてスプーンのアクションの見えるカラーで、そのアクションを見ながら釣っていくと、反応のいいアクションが見えてくる。これが分かったら、今度はカラーを見えにくいダーク系にしてみたり、スプーンを沈めてみるといい。どちらも動きが分かりにくいが、最初に見やすいカラーでやったときのイメージを持って釣りをすれば、水中でのスプーンのイメージができるはずです。
レンジ:表層から探るのが基本
ビギナーに限った話ではないが、エリアフィッシングでレンジ攻略は、表層からさぐっていくのが基本となる。なぜなら、食い気のある魚は表層のルアーにも果敢にアタックしてくるし、なにより表層を引くことで、そうした魚の反応を実際に目で見ながら確認できるからだ。この表層への魚の反応から、その日のエリアのコンディションを読むことができ、次の釣りへと狙い方をシフトしていくことも可能となる。このことはビギナーにとっても同じこと。しかも、ビギナーの場合はルアーにしても、魚にしても、目で見えた方が断然分かりやすい。だからこそ、まずは表層狙いから始めるべきなのだ。まずは表層にルアーを通して、それに対する魚の反応を見る。これで反応がいいアクションが見つかったら、そのときはじめてルアーを沈めていくことを考えよう。ルアーを沈める時は、着水したところから数を数えながら沈めていく「カウントダウン」という方法が基本となる。例えば、着水後、ラインを張った状態でルアーを沈めていった時、フッとラインが弛んでルアーが着底するまでに10秒かかったとすれば、着水の5秒後に巻き始めれば、およそ中間くらいの層をルアーが通っていることになる。このように慣れてきたら沈める数を変えながら、色々な層を探ってみるようにするのがレンジ攻略の基本中の基本です。
ルアーローテーションとは?
よく耳にする「ローテーション」という言葉、管釣りでよい釣りをしようとすると、どうしてもマスターすることが必要と言われるけど、そもそも、どうしてローテーションが必要なんでしょう。
ローテーションは、その時の魚の状況に釣りを合わせるためにやります。魚の状況に合った釣りをした方がやっぱりよく釣れるので、ローテーションをしながらそれを探していくわけです。
自然のフィールドに比べて比較的狭いエリアが多い管釣りでは環境面などの変動性は少ないとはいえ、やはり毎日同じコンディションであるということはない。となれば、そこにいる魚の状況も毎回変わり、ヒットルアーやヒットメソットも毎回変わってくる。釣りをする中でこれを探し当てようとするのがローテの大きな目的なのだ。また、たとえ「当たり」を見つけても、それを続けていればやはり魚はスレてしまう。このスレを避け、少しでも長く連れ続くようにするのもローテの目的となる。
ここまでの話にはすぐにうなずけるかと思うが、では実際には何をローテーションしていけばよいのかという部分になると、ちょっと困ってしまう人もいるのではないだろうか。
ローテの基本はルアーローテーションとカラーローテーション。ローテーションはこのふたつの要素に対して行うのが良いでしょう。現在、管釣りでメインとなるスプーンには実に多くのモデルがあり、そのどれもが非常にバリエーションに富んだカラーラインナップを持っている。このような多くのスプーンの中から適当にスプーンを揃え、ただ漠然と交換を繰り返しながら釣りをしても、その日のヒットパターンにたどり着ける可能性はあまり高くない。少なくとも、もっと効率的にその日その時の「正解」を探し出す方法はあるはず。その効率的な探し方がローテの基本であり、「ルアー」と「カラー」という要素に的を絞って意識的にローテしていくのがローテの基本です。
①ルアーローテーション
いくつかの違ったスプーンを泳がせて見ればすぐに分かると思うが、スプーンはそのモデル毎にそれぞれの個性・特性を持っている。例えば、あるものは大きく派手な動きを見せるかと思えば、別のものは同じように引いたとしても、小さめのおとなしい動きをみせたり、このように個々のルアーの違いを活かして、ローテしていくのがルアーローテーションだ。ルアーを揃えるときにはルアーの特性にも目を向けよう。色々なタイプのルアーを持っている方が、多くの状況に対応できるのだ。まずは自分が持っているルアーがそれぞれどんな特徴を持っているのかを把握するところから始めるとよい。その上で、もしバリエーションに偏りがあるなら、他のタイプのルアーを補充するようにすれば完璧です。
②カラーローテーション
ショップに並ぶ色とりどりのスプーンたち。ひとつのモデルで10色を超えるラインナップがあることも普通なのが管釣り用スプーンの大きな特徴だ。どうしてそんなにカラーバリエーションが豊富なのかといえば、それはちょっとした色の違いで魚の喰いが極端に変わることが少ないから、同じモデルの同じ重さのスプーンを並んで使っていても、色が違うだけで、片やノーバイトなのに、片や連続ヒットということも珍しくないのが管釣りなのだ。そうなると、やはり「よく釣れる色」を探し出すことが必要になる。この当りカラーを探し出すための作業がカラーローテーションとなるわけだ。ルアーのアクションよりもカラーに強く反応する日もあるので、それに対応できるように色々なカラーを揃えるようにしておこう。
ルアーローテーションの鍵とは?
ルアーローテーションで注目すべき点は、そのルアーが持つ個性です。ルアーをローテするときは、ルアーの「アクション」と「泳層」を考えるようにしましょう。ルアーの個性をこの2つの要素で把握すると良いと思います。
まずはこれらの要素に的を絞ってそれぞれのルアーの特性を知り、それをローテすることで魚の反応がよいルアーを探し出すのがルアーローテのキモということです。
水をよく動かすウォブリング系のスプーンから入ってその日の状況をみるのが管釣りの基本中の基本です。
中層を中心に、そこから上、下というように泳層を変えて探ったら、次はアクションをまったく変えてローリング系を試します。ウォブリングの次は、あまり水を動かさないローリングを試す。これもまたルアーローテの基本です。ウォブリング系に反応が悪い時にローリング系が効くことは多いが、これでも反応がいまひとつの時は、中層を基準にしてその上下の層を探ったら、今度は泳層を基準にして絞り込みます。
このローテーションで中層から上か下かで反応のよさそうな泳層を絞ってきたがですが、その結果、表層への反応が良さそうならS字ウォブリングでの表層狙いと移行し、底層への反応がよさそうなら、ウォブリングかローリングで反応の良かった方を使って泳層を底層に絞り込んで狙います。
このように、「アクション」と「泳層」を意図的にローテすれば効率良くその日の当たりパターンを見つけることができます。漠然とルアーを変えるのではなく、狙いを持ったローテをするようにしましょう。
①アクション
スプーンのアクションはお尻を振るように動く「ウォブリング」と、スプーンの縦方向の軸を中心に回るように動く「ローリング」、さらにこれらが混ざり合った「ウォブンロール」の三種類が基本的なアクションとなります。一般に、ウォブリングは水を大きく動かすので魚に対するアピールが強く、ローリングはそれとは逆に、比較的魚に対するアピールが小さいとされる。ウォブンロールはその中間に当たるが、ウォブリングとローリングのどちらが強く出ているかでアピール力が変わってくる。
②泳層
スプーンを引いたとき、そのモデル毎に半ば自動的に泳いでくる深さがある。それがそのスプーン固有の泳層(レンジ)といわれるものです。また、深い層を探るときには「カウントダウン」という基本テクがあるが、表層を得意とするスプーンをいくらカウントダウンして沈めてみても、引いているうちにすぐ浮き上がってきてしまって狙っていた深めの層を引けなかったりしてしまう。沈めこんで深いところを引きたい時は泳層が深めのスプーンをカウントダウンして使った方がよいし、表層狙いなら表層を得意とするスプーンを使います。こうした使い分けるルアーローテーションの基本です。
ルアーのカラーローテーションの基本は派手か地味か
カラーローテーションの基礎となるのは、基本色と呼ばれる色の分類を知るところから始まります。この基本色はおよそ3つの系統に分けられます。
まずひとつ目が「派手系」。これは読んで字の如くで、トラウトの定番色である赤金や白、鮮やかな黄色など、色彩がきつめの原色系で、見るからに派手なカラーがこの系統に当たります。派手系は高活性な魚やスレていない魚に対して劇的な効果を示すことが多いので、放流魚狙いなどでは多用されるカラーです。また、その強いアピール力を活かして、その日の様子を見るための最初のカラーとして使われることが多いです。
派手系カラーの対極に位置するのが「地味系」と呼ばれるカラー群。これはダーク系と呼ばれることもあり、黒やこげ茶といった見た目にもダークで地味な色目のカラーがこれにあたる。地味系のカラーは一見すると目立たないが、水中ではルアーのシルエットがハッキリと出るため魚からすればかなり見やすいカラーであり、色彩によるアピールは低いものの、ルアーの存在感はしっかりと魚にアピールすことができます。
派手系、地味系とみてきましたが、もうひとつの系統が「中間系」です。これは中間色と呼ばれることが多く、こちらを耳にしたことのある人も多だろう。中間系は、派手系と地味系の間に位置するカラーで、ベースが黄色、緑、青など色々な色目があります。どれも比較的淡い感じのカラーが多く、水中ではシルエットをぼかしてぼんやりとした見た目になるといわれている。派手系ほど色彩がきつくなく、地味系ほどシルエットがハッキリ出ない。そんなカラーが中間色です。
流水エリアは身軽な格好での釣行が理想
流水エリアは基本的に渓流と一緒と考えても良いと思います。止水エリアと違ってかなり動くし、周りには木々も多い。だから、軽装で、なるべく身体から突起物が出ないようにするのが定石。止水ポンドでよく見かける、でっかいプラケースを持ち込んだりというのは好ましくありません。また、最低でも二―ブーツはあった方が良いでしょう。スニーカーで行けないような場所もあります。
タックルに関しては、流れの中にいるトラウトって結構強いんです。魚を掛けた時に主導権を与えないためにも、ロッドもラインもポンドで使用しているものよりワンランク硬いものが最適です。普段のポンドでXULクラスのロッドを使ってるとしたら、最低でもSUL。ラインは1ポンド上のもの。ルアーは3種類、10色ずつくらいあれば十分です。
スプーンの3種類は少ないと思われがちだが、止水は長い距離を引いてくることが多いので、魚に長い時間ルアーを見せていることになります。流水は、止水に比べるとキャストも短いので、アクション、用途の違うルアー3つぐらいで大丈夫です。2~3グラム程度が中心です。上流域に見られる急峻な所や深場なら、3.5~4グラムは必要です。
流水エリアのスプーンはヒカリモノが中心
流水エリアのスプーンのカラーローテーションはメッキ系中心で、止水エリアのような細かいローテーションは必要ありません。
流水エリアでは、やる気のある魚を狙います。基本的にアピールの強い色が中心。セオリー通りだけど、濁りが入ったり、曇りなら金、晴天なら銀。でも通常は、まず最初に定番の赤金、ダメなら緑金、さらに反応がなければ青銀ってパターンを多用します。流れの中の魚はアピールが強い方が喰ってくる。ただ、どうしてもだめな時は、ポンドエリアではお馴染みのアピールの弱い色を投入することもあります。
流水エリアの水質はクリア魚の居場所が確認できる
流水エリアは基本的にクリア。魚がどこにいるかが一目瞭然。まず最初に、高い場所から魚がどんな場所にいるか見て下さい。渓流をやったことがある人はある程度、魚の着き場が分かりますが、経験のない人はイマイチピンとこないはずです。でも、魚が見えるから必ず釣れるわけでもありません。基本的には魚は上流や水の流れに対して頭を向けています。その頭の向きを頭に入れておいてください。高い場所から見れば、それも分かりますから、前を通してみたり、後ろからいきなりルアーを目の前に出したりして、その都度反応を確かめてみてください。これから夏にかけての傾向として、雨が多く降って川が増水します。すると濁りが入る。そんな時は落ち込みや瀬を中心に狙うと好釣果が得られます。